ゴジラ対自衛隊 〜映画の中の自衛隊〜

自衛隊に入ろう

歌謡曲――フォークシンガー 高田渡



 1968年8月9日〜11日に京都・山崎「宝積寺」で行われた第3回関西フォークキャンプに参加した高田渡(当時20才)がアメリカの原曲をもとに歌った楽曲「自衛隊に入ろう」は、観客を驚かせた。自衛隊の宣伝文句を皮肉をこめて揶揄したこの曲は、1969年に発売されたアルバムに収録され、後にシングル発売もされた。

 当時の世相というのは当時を生きていない自分には理解できないものではあるが、時はベトナム反戦運動まっさかりの時期である。アメリカでは、ベトナム戦争帰りの兵士が平和主義者の市民たちにより生卵をぶつけられ、就業などによって差別されたりしたという。戦争反対を訴えることは間違ってはいないと思うが、現場で体を張っている自衛官を揶揄したり皮肉ったりするのを、平和活動というのに違和感を覚えるのは自分だけだろうか。

 この曲は、歌詞を額面どおりに受け取った防衛庁(現防衛省)からPRソングとしてオファーがあり、高田氏を困惑させたという。また、「花と散る」とか「悪いソ連や中国をやっつけましょう」といった歌詞に問題があると判断されたためか日本民間放送連盟により要注意歌謡曲に指定され、自主規制の対象となった(現在は要注意歌謡曲の制度が失効している。)。

創作物のセリフから