徳永の「人物論」
平成27年1月

元旦

とは人格的中味であろう、とは風采的肉体である。その両者が揃って人物である。人格とか知見が高くても、風采的肉体が貧弱だと即座に一流の人物と見なされないのが現実である。風采的肉体とは何か、まず重量感、大きいこと、押し出しが立派であることか。

2日

だが、いくら恰幅がよくても、風采風貌がよくても、本当の人物か、どうか判定が中々難しいのが現実、だから、東大出身とか京大出身とかで判定の尺度として使う。これがしばしば大間違いのもととなる。それは、大学卒業時程度のまま50才になったような人までその判定尺度を使うから間違いが多くなっている現実がある。

3日

人間というものを判定するのに、大多数の人は直感的に肉体的印象で殆ど判定しているであろう。人品骨柄という奴である。一現は、顔が大切なのであります。風来坊みたいな、ニコヨンみたいな、のは軽くみられる。

4日

人間の中味は別として、特に人相である、ニコニコしていると好印象をもたれる。可愛げがあり、美人だと先ず初印象はパスする。

5日

高貴な顔も宜しかろう。難しい顔とか、神経質とか、いかついとかは第一印象では損をする。交際を始めると、色々とアラが出できて、顔つきに似合わぬとか、性格や性質とか、教養面とか、生活態度とか、教養とか、色々と己の趣味との相違で、判定されてくる。これは時間と共に現れるが、結局、人間は、感覚的なもので決定しているのではないか。理論ではなさそうである。こう申すと、人間とは案外にいい加減なようだが、それが案外に当っていることもあるし、その大反対となることもある。

6日

結局は、理ではなく、肌合い、要するに「虫が合う」ことが大事なようだが、これこそ、いかにも人間臭い、人間は動物なのである。

7日

企業となると、感覚的な人物判定ではすまされない。企業の精神、希求する企業イメージに相応しい理想的人物像を持つのが普通である。

8日

そこで、「企業人物」の分析を試みる。 人物を、四つの柱で判定してみよう。それなりに、科学的でなければならぬのである。 
1.   品性、2.信望、3.信頼度、4常識・教養の四本柱で人物が構成されると思考する。

9日 1第一の柱=品性のチェックポイント
 1.廉潔か 
   2.企業役職者として人格・品性ともどこに出しても恥ずかしくないか。
  3.立居振舞に品位あるか
  4服装・趣味が上品か。
  5.感じがよいか。
  6.公私混同の傾向があるか
  7.役職者として不安がどこにあるか。
  8.言動粗野か
  9.関心とか話題が低俗か
  10.身だしなみは、無頓着か
10日 2.第二の柱=信望のチェックポイン
 1.リーダー格として部下の信望があるか
 2.発言に権威があるか
 3.部下が心服しているか、軽んじられていないか

 4.発言が朝令暮改ではないか。
 5.存在感があるか、浮いていないか
 6.上には良いが下には悪いのではないか。
11日 3.第三の柱=信頼度のチェックポイント
 1.陰日向無く誠実か
 2.ピンチに強いか、弱いか。
 3.口が硬いか。
 4.人間が公明正大か。
 5.立派な市民として信頼するに足りるか
 6.約束はきちっと守るか、
 7.全幅の信頼がおけるか
 8.顧客との付き合いに節度があるか。
 9.顧客の評判はどうか。
 10.何となく不透明な点はないか。
 11.失言するか、全面的に信頼できるか。
 12.事故を起こす懸念なきか
 13.顧客との約束守っているか
 14.特定の顧客と馴合う傾向がないか。
 15顧客からのクレームの有無。
12日

4.第四の柱=常識・教養のチェックポイント
 1.教養に富み、話題が豊かか
 2.礼儀作法を弁えているか。

 3.大抵の顧客とは話題を合わせられるか

 4.相手に応じで話の限度を心得ているか

 5.無作法な点はないか。

 6.無頓着ではないか。

 7.話題単調で、面白みが欠けていないか。

これで、大方の見当がつく、と思われる。

13日

さて、次ぎは、現実の社会で観察考察してみよう。 
例えば、徳永自身の鳥取市内での実験的観察結果を開陳する。

14日

まず、リュックで、古びた帽子、運動靴で大丸に行く。特別の反応はない。ホテルに行く、相手にされない視線を感じる。これにマスクでもしていようなら間違いなく胡散臭い目で観察されているであろう。まあ、私は、人相が決して風来坊ではないから怪訝な視線は感じない。

15日

これが、一つ、人相の程度が野卑で、衣類も落ちぶれていると一流料亭とか旅館では怪訝な視線で見られるであろう。場違いな人間への視線が有り得よう。

16日

反対に、ハットを被り、三つ揃いの背広とカシミヤのコートで一流料亭の玄関にいると全然反応が異なる、これはホテルでも同様である。大丸などでは、軽い会釈をしばしば受ける。

17日

このように、人間は、人相、服装等々の外観で判定するのが自然なのである。堂々とした体躯の人は更に一目おかれて見られるであろう。

18日

人間の顔が、知性と教養あり、尊厳と柔和があればそれなりの受け止めをするのは至極当然のことなのである。

19日

一流料亭に、ニコヨン風な出で立ちで現れたらきちんとした挨拶をされないのは、場違いで至極もっともな反応なのであろう。

20日

英国に服装哲学の書物があった。馬子にも衣装とは日本の言葉だが真実を衝いている。

21日

処が、堂々とした大男で、交際していると実に小胆で気の小さいのをしばしば遭遇している。だが一般的にはこの風采が世間通用しているが中味は別ものである。これは銘記しておいたほういい。

22日

政治家など、この体躯、風采が良いと大衆は騙される、その上に口が巧いとやられて信用し投票行動へと直結してしまう、愚衆政治となる。それをメディアが煽ると民主党のような芯の無い政党が政権を取ってしまう。メディアは幼稚で眼識がない。

23日

好事例があの小渕である、元首相の娘ということだけで中味の客観的な検討なしに未来の首相候補と囃し立てたのだから、メディアなんていい加減なものと認識しなくてはならない。

24日 人物は、
1容貌、風采だけでは判定できない。
1.   発言が巧くても信用できない。
2.   要は、言うこととすることの実態を確認する。
3.  特に精神内容を観察して確認が大切、それには時間かけて観察が必要
25日 5例えば、私が都市銀行の支店長時代、不良債権を作った記憶はない、地銀の本店営業部長時代も然り。今想起するに、それは社長の人物鑑定にあったように思う。
26日 私は、銀行支店長時代、必ず、主要取引先の訪問管理表を作り、毎日午前中は融資先、大口預金先を訪問し、常に観察していた。だから企業の受付とか雰囲気でその企業の善し悪しが判定できるようになっていた。
27日 大抵、当ったばかりか融資先のインチキを沢山発見して被害を阻止してきた。その具体的手法はかなり専門的だが日々、必ず点検していたこともあり、私はこれは企業の血液をマネーの動きから見る触診だと思っているが「私の手法」を確立していた。ここでは不要だから述べない。