世界は混沌としてきた 

アメリカ経済の破綻的状況は、予測されていたのである。

当然であろう、これこそ究極の原理に外れていたからである。敢えて経済原理とは言わない、「物事の原理」とでも言おうか。それは、 

1.     アメリカは、「虚の世界」を迷走していたのである。破綻は必然である。

2.     アメリカは、製造という実業の果実であるマネーという「虚」に依存が過大であった。

経済原理に背反し、支払能力の欠けた低所得層へのサブプライムなど、破綻を迎えるのは必然であった。 だから訳のわからぬ証券に仕立ててその危険を世界中にばら撒いて危険の拡散をしていたのである。
当事者は分かっていた筈だが景気上昇の為に目を瞑っていたのだ。

3.     ペーパー・マネーのみで、この実物世界―地球を含む地上のありとあらゆる実物―を支配しようとする原理でアメリカは動いていたのである。これは有機体の地上原理に反する。

4.     ドル権威は解消へ向うのは自然。アメリカは腕力でアメリカの求心力を希求するであろうが思うようには行くまい。だが、世界の金融経済の胴元はアメリカしかないのも事実。

5.     EUもアメリカ以上に経済の激震を受けている。

6.     ロシアも原油価格低落で急速に不振を極めている。

7.     中国は、相対的に強いものがあるが、ペーパーマネーのドルに依存過重であり中国・米国は一蓮托生であろう。それに、一党独裁の危機に直面しつつあり極めて不安定である。世界の金融経済の胴元には絶対になれない。さらてはならぬ。

8.     日本、相対的に、有利な位置にあったが、政治家が極端にお粗末で、またとないチャンスを活用できなかった。為に、不当に経済のダメージを招いてしまった。 

世界は、混沌としてきた。政治も経済も流動的になり、戦国時代の様相を呈するであろう。相対的地位は中国に強いものがある。日本は中国に油断してはならない。 

だか、日本の政治は、極限の状態を迎えつつある。

「一番悪い政治」を改革せねば日本の未来はない。 

かかる時は、「窮すれば変ず、変ずれば即ち通ず」である。

政党はガラガラポンの時代を迎えた。 

一刻も早い政界再編成を成し遂げて強い安定した政権を樹立して世界の激動時代に対処願いたいものである。 

平成21年元旦 

徳永日本学研究所 代表 徳永圀典