「中国が世論戦…今こそ立派な強い日本になろう」

■米国は世界の警察やめた。中国は世論戦と領土拡張を仕掛けてる

 日本は内外に多くの課題を抱えているが、それだけ多くのチャンスがあると考え、今こそ日本の建て直しをしなければならない。

 太平洋が広いため実感はわかないが、日本は常に米中に挟まれている。この2つの国をよく見ることが、どんな時代も重要になるが、同盟国・アメリカが、劇的に変わってきている。

 オバマ政権は第1次と第2次で、これが本当に同じ大統領の政権だろうかと思うほど変わった。日本人は、オバマ大統領を人権重視の人だと見ているが、シリアのアサド大統領が軍隊を使って国民を殺している問題は放置している。

 昨年9月、オバマ氏は「なぜアメリカはシリア問題に介入しないか」という衝撃的なスピーチをした。

 さまざまな理由が挙げられる中で「アメリカは世界の警察ではない」という言葉を2度使った。シリアでは毎日数百人の人が殺されているが、世界の警察ではないから介入しないという意味だ。

 アメリカの影響力が非常に低下している。同じことが、アジアでも起きているのではないか。

 南シナ海沿岸の国々に対し、中国は横暴な態度でこの海のほとんどが中国のものだと言っている。フィリピンのスカボロー礁という島の周辺海域にも中国が軍艦を派遣した。

 フィリピンのアキノ大統領は「中国が島を取ろうとしている。助けてほしい」という悲鳴にも似たメッセージを発したが、オバマ大統領は何もしなかった。

 アメリカはもはや警察ではなく、各国はアメリカが助けに来ることを期待せずに自分の問題は自分でやれという態度を取るようになっている。

■中国は太平洋の分割を提案

 アメリカが変化する一方で、中国はアメリカに対し、太平洋の二分を提案している。

 中国は、ハワイを境にして東をアメリカ、西を中国が支配するという二大国時代を築くことを目標にしてきた。

 アメリカは今、大幅な軍事費削減を実施している。中国はアメリカが1削減すれば、1増やすことで、一気に2の差を埋めるように軍事費を伸ばしている。

 中国と韓国が日本に仕掛けている動きについて、アメリカがどう反応しているかということも注目だ。

 いわゆる従軍慰安婦をはじめ、今歴史問題について、事実上の戦争が起きている。中国でも、労働者が日本企業を相手取って戦前の徴用について謝罪と賠償を求める訴えを起こした。中韓は歴史問題で日本を追い詰めようとしている。

 そしてこれは中韓にとどまらず、アメリカを含めた世界に展開されている。これは、武器は使っていないが、中国が得意とする世論戦という戦争そのものだ。

 アメリカはこの問題について以前は、中立を保とうとしてきた。しかし、安倍首相が参拝した際は「失望した」という声明が出た。

 アメリカの中に、日本を嫌う価値観があると考えなければならない。今もアメリカの中には、日本はアメリカの言いなりになる弱い国でいいという価値観が残っている。

 日本は今、事実上、歴史問題について、アメリカと中国に挟まれつつあり、そこに韓国も入るかもしれないという危機感を持たなければならない。

■日本にとっても転換点

 こうした中、歴史問題において、今までとは違い、外務省が非難されたら言い返すようになった。中韓は歴史を捏造(ねつぞう)してきた。事実を掘り起こせば掘り起こすほど日本にとって有利になる。日本を歴史問題で追い詰めようとする中韓との戦いは、何十年も続くと考えて本気で取り組まなければならない。

 さらに、アメリカにとって日本が必要不可欠な国だと実感させなければならない。そのための集団的自衛権の議論だ。集団的自衛権は、国連が全ての国に認めている権利だ。

 東シナ海に防衛識別圏を設定したり、無人機を飛ばしたり、沖縄本島と宮古島の間を戦闘爆撃機が往来したり、中国の脅威が尖閣諸島で進行している。

 私たちはどうやって日本を守るのか。アメリカと集団的自衛権をきちんと行使できるようにしようと政府が取り組んでいる。当たり前のことをしようとしている日本政府の動きを、もっと国民レベルで後押ししなければならない。

やがてアメリカは日本を見直さざるを得ないと思う。見直させるような立派な力強い日本になろうではありませんか。