112日 改めて「三学」

壮年になると、もう学ばぬ者、学ぼうともせぬ者がずいぶん多い。生活に遂われて忙殺されておる間にだんだん志まで失ってしまうのである。そうすると案外老衰が早く来る。いわゆる若朽(じゃくちゅう)である。肉体だけは頑健でも精神が呆けてしまう。反対に能く学ぶ人は老来ますます妙である。ただし学も心性の学を肝腎とする。雑学ではだめである。古詩にいう通り、「少壮、努力せずば、老大、徒らに傷悲(しょうひ)せん」こと間違いない。でなければ呆けたのである。これに反して老来ますます学道に精進する姿ほど尊いものはない。百朝集 

佐藤一斎「言志晩録」の三学

   少くして学べば壮にし為すあり。

   壮にして学べば老いて衰えず。

   老いて学べば死して朽ちず。