113日 真木和泉  何傷録

 人と生まれては、高きも賤きもせねばならぬ者は学問なり。学問せねば吾身に生ま付きたる善あることも得知らずして、他の人の徳あるもなきも弁へず。また昔を盛なりとも今は衰えたりとも知らず。徒に五穀を食ひて、前むきてあゆむばかりのわざにては、犬猫といわんも同じ事なり。  真木和泉  何傷録