環境、環境の卓見 

環境問題を取り上げてみる。 

いまスミソミアン体制という言葉がよく新聞・雑誌等に出ておる。環境問題の専門家会議を名高いスミソミアン協会で開いたところからその名が出たものだ。 

その時、新進の人類学者でエドワード・ホールという大変卓見に富んだ学者が大講演をやった。

そして最後に彼は、 

「然し、環境、環境と云っていくら環境を論じても駄目だ、これを突き詰めれば各人が自分自身に対する考え方、生き方というものを反省・革新するよりほかに方法が無い。自分を棚に上げていくら環境問題を論じても駄目だ。自分の問題として従来の考え方や習慣を思い切って直してゆくこととより他に方法はない。」 

と云った。 

政党、政治家、マスメディアを筆頭に、大抵の人間は自分を棚に上げて人のことばかり言いますが、やはりこの結論は卓見である。 

平成20年1月14日

徳永日本学研究所 代表 徳永圀典