115日  なぜ学ぶのか

()れ学は通のために非ざるなり。

  窮して(くる)しまず、憂えて(こころ)衰えざるが為なり。

  禍福終始を知って惑わざるが為なり。

                  荀子 

本当の学問というものは、立身出世や就職などの為ではなく、窮して苦しまないということ、憂えて心衰えないということ、何が禍いであり、何が福であり、どうすればどうなるかという因果の法則
?禍福終始を知って、人生の複雑な問題に直面しても、敢えて惑わない、という条件を提出しているのです。これは我々にとって誠に痛切な教えであります。窮するということ、心配事というものは、人間として常にあることで、世に処する以上免れないことである。しかし、それだからと言って精神的に参ってしまうということでは、我々の人格の自由や権威はないわけであります。            知命と立命