鳥取木鶏会 レジメ 平成241 

出雲(いずもの)国造(くにのみやつこ)(かみ)賀詞(よごと) 

「年のはじめのためしとて、終りなき世のめでたさを 松竹たてて門ごとに 祝う今日こそたのしけれ 初日のひかりさし出でて、 四方(よも)に輝く今朝のそら 君がみかげにたぐへつつ 仰ぎみるこそたうとけれ」  

高天(たかま)神主(かむみおや)高御魂(たかみむすび)(みこと)の、(すめ)御孫(みま)(みこと)(あめ)の下大八島(おおやしまの)(くに)事避(ことよ)さしまつりし時に、出雲の(おみ)()が遠つ神(あめ)のほひの(みこと)を、国体(くにがた)()に遣はしし時に、天の八重雲をおし別けて、天翔(あまがけ)国翔(くにがけ)りて、天の下を見廻(みめぐ)りて返事(かえりごと)申したまはく、

『豊葦原の水穂の国は、昼は五月()(ばえ)なす水沸(みなわ)き、夜は?(ほべ)なす(かがや)く神あり、(いわ)ね・木立(こだち)(あお)水沫(みなわ)も事問ひて荒ぶる国なり。しかれども(しず)()けて、(すめ)御孫(みま)(みこと)安国(やすくに)(たひら)けく知ろしまさしめむ』と申して、(おのれ)(みこと)児天(みこあめ)(ひな)(とり)(みこと)に、ふつぬしの(みこと)を副えて天降(あまくだ)し遣はして、荒ぶる(かみ)(ども)(はら)()け、国作らしし大神をも()(しず)めて、大八島国の(あき)つ事・(うつ)し事事避(ことよ)さしめき』(日本古典文学大系「古事記」祝詞)