新年に思う
世の中の変化
維新とか革命とかいうことは、やはり優れた個人の魂とか、個人の思想信念、主張、そういうものから変わってゆくものと思う。
時代の流行、大衆の動向などと言うものに支配されないと言うことの貴重なる所以である。
つまり時代の大衆的風潮、流行思想、流行イデオロギー、そういったものに屈しない、自分の良心、古来の真理、こういうものを敬虔に学ぶことによって、初めて人間の尊厳、社会の進歩というものが生ずる。
人生に真剣なる者は、このことを先ずしつかり把握しておくことが根本中の根本問題である。
愚生が常に申す、時の風の真贋を洞察するのが我々古典を学ぶ者の使命であり、大衆を啓蒙する存在であらねばならぬと、新年にあたり自信を以て思うのであります。
平成26年1月
徳永岫雲斎圀典