19. 巻向の山辺 3

 あしひきの山川の瀬のなるなべに

    弓月が嶽に雲立ち渡る

       柿本人麻呂 巻7-1088

  山から流れ落ちてくる川の瀬の音が高く鳴り響くにつれて、弓月が嶽には一面に雲が立ち渡ってゆく。