125日  (しょう)とは

(しょう)とは学校のこと。

学校を出ることを卒業などと考えてはならぬ。むしろ米英の大学に好い語がある。あちらでは、卒業をcommenceと言う。世に出る始まりの意味である。人生は絶えざる学業である。社会や宇宙はそのままに一大経巻である。これを解すると否とが学人と俗人との別れる所以である。

王陽明の詩に「(かん)()うて稍餒(ややう)うる()し」即ち逆境に遇ってもどうやら心がふらつかない、魂が()えないようになったと言う句があるが、この文章の最後の一条にこの句を想起して己を省みざるを得ない。

                 百朝集