25. 井寺池界隈  その二

  かぐ山は(うね)()ををしと(みみ)(なし)と相あらそひき神代

よりかくなるらしいいにしへも しかなれこそ

うつせみもつまをあらそふらしき

      天智天皇  万葉集 巻1-13

 大和三山の香具山、畝傍山、耳成山の間には、古い伝承に見られるような男女間の入り込みがあり、一人の女を二人の男が(つま)争いをしたと言う。こうした事は神代にもあったらしい。