西田幾多郎の明治35年日記より

「一生下級の教師に甘んじて厚く道を養い深く学を(きわ)む。

断じて余事を顧みず(
多く成さんとす欲せば一に専ならず)

事務などやるものではない。

名利の念()()(しん)乱し、

吾事(ごじ)を妨ぐの仇敵、道もこれが為に成らず学もこれが為に浅し。

大丈夫事を成す唯自己の独立之れ(たの)む。決して他人の力をからず。

便宜の地位を求めず」。