韓国の近況に思う

この国が隣国でなければ、これ程にまで気を使うことはないのだが、知れば知る程に好きになれない国ではある。思いつくままに政・経・歴史放論をする。危険な趨勢を韓国に見るからである。

歴史・民族

�@最近で言えば、ノムヒョン大統領、他国の元首について云々したくはないが、一国統治者の資質として問題がありすぎる。韓国大混乱の原因者である。

�A韓国民や為政者の気持ちは痛いほど分かるが、国家とか民族としての歴史的自己認識の基点に重大な誤謬では済まされない、根本的欺瞞が存在すると思う。虚構の歴史の上に成立している国家ではないか。これ等は政府・国民の成熟と共に未来には必ず剥げ落ち、その間、元首が交替するたびに国内大混乱を繰返すのではないか。

�Bそれは韓国の歴史教科書を読んで感じたのであるが、この国の宿命的過去の歴史を真正面から捉えていない所から発生している。私に言わせれば真実の歴史を、辛いことだがマトモに視ていないからである。これは、この国民が、更に知的に成熟するとすれば、いつの日にか必ず目覚めるであろう。それまでは、民族の間で、或いは政策面で試行錯誤的に大きく揺れ動き、振幅の大きい動きを繰り返して行くのではないか。だがその正しい道への収斂は程遠いものであろう。その間、国内的には勿論、対外的にも振幅の大きい動きをして、傍迷惑を起し続けるのではないか。既にその前兆現象は多々ある。然し、それはこの国にとり、地政学的に勘案してごく当たり前の事でそれがこの国の本質かも知れない。人口四千万の韓国、中国１３億、日本でさえ１億２千万人、その中間の半島は両者の影響を強く受けるのは宿命である。

�C肝腎なことは、この国は発祥の真実の原点を直視し、真実の李王朝五百年、そして明治時代の国際状況、諸外国とか日本との事など、正しく国際的視野で見つめ直さなくてはならぬと言うことである。中でも、韓国近代化は日本人により成し遂げられたという絶対的事実。この、国の真の成り立ちを無視し、いつまでも事実と異なる虚構のままでは混乱を招き続けよう。朝鮮民族は、真実の歴史を直視してこそ次なる真実の国民的なものができあがる。過去の真実を直視せず虚偽の歴史を国民に植え付けていては、民族的動乱と混乱とを繰り返すだけであろう。

�D今春、韓国は愚かにも、北朝鮮と南北朝鮮統一宣言へと進むのではないか。国内外の情勢、戦後の対米関係の歴史的事実を無視し、積み上げた米・日との関係を疎遠にし、台頭する朝鮮半島の宗家中国というイデオロギーの異なる中国との交流重視が激しい。この事が次に如何なる現実を迎えるのか、余りにも無知・無関心である。韓国は自己実力不足の認識に欠けており危機を更に招く結果を呼ぶのではないか。あの力ある西ドイツが東ドイツ統合で今なお停滞し続けている。韓国は１０年前の破綻の危機以後の立ち直りを実力と解した事、間違った国民教育のツケが回って、未来への正しい思考を失ったようにさえ見える。自己過信と、自己を直視しない韓国に見える。南北朝鮮の合邦は韓国の力だけでは収拾できない。このまま推移せんか韓国は存亡の危機が現実化するのではないか。

�E事大主義、小中華意識、古代への余りの郷愁、近代理性を伴わぬ儒教の風俗・思考、謙虚さの欠ける民族意識、エキサイティングな民族的特性。そして職人を蔑み社長を志向し、地道な基礎作りをしないで果実のみ得ようとする民族的習性が大きく禍いしている。日本人は一隅を照らす慶びを持つ民族でありそれが国家・国民の基盤を根底から支えている。

経済・社会の深刻な構造

�@貿易黒字の急速な減少。

�A対米ドル、「円安・ウオン高」で企業利益半減の非常事態。

�B国内総生産の順位下落。

�CＩＭＦ危機前の為替相場、１ドル９００ウオンとなって国際競争力は喪失。

�D韓国のメデイアを含む大企業、現代、サムン、ＳＫなど大財閥はすべて政府にやられている。

�Eのべつ幕無しにストライキやデモで経営を圧迫する時代遅れの労組関係。

�Fアメリカなどへ海外移住する韓国人の著増、グリーンカード、永住権取得へ殺到。海外送金の激増。

�G少子化問題は日本より深刻、出生率は韓国１．１６、日本の１．２９より遥かに低い。

�H韓国は構造的な隘路に入りこんでいる。

�I血のにじむような日本人のしてきたような努力がない結果であろう。

至近の韓国、政治経済の問題点

�@１９９７年のアジア通貨危機、９８年のＩＭＦ危機、この時、早期復活できたのは、ウオンの暴落でありそれは国際競争力の強化に連携した。たが韓国はそこまでで、生産性向上のイノベーションに注力していなかった。日本などは、１ドル３６０円から８０円まで、血の滲む努力をしてきた。米国でトヨタの車は当時の三倍の高値だが、それでも売れるものを作り上げたが韓国にはそれが無い。ウオン高が剥げれば現在のようになるのは当然である。

�A韓国人の米国移住が増加しているという。アメリカではチャイナタウンよりコリアタウンの数が増加している。永住権取得の為である、ということは北朝鮮に同調する自国を内心では見切っているということになる。愛国心の塊りのような韓国人とは実はウソではないか。自国にいて国の発展に貢献する真の愛国心がない証左ではないか。金大中大統領以降、既存の韓国諸制度を覆してきている。万一保守政権になっても逆戻り不能のような左翼的制度の法制化に血眼になっている。韓国政府が北朝鮮と同調し社会主義へと傾斜しているからアメリカへの避難が激化しているのではないか。

�B韓国人は朝鮮戦争であれだけの命の恩人アメリカを追い出そうとしている。日本人なら掌の平をかえすような事はしない。自分の国の置かれている現状を冷静に理解できないのであろう。理解しておれば、日本叩き、過去の大統領を逮捕する暇などないと思うのだがその奇妙な国民性は中国の王朝交代―易姓革命に酷似している。自分の国のおかれている現状の冷徹な直視が出来ないのは、現在も過去も少しも変わらないということのようである。謙虚さの足りない、反省の無い国民性が最高に禍いしている。中国台頭により自信をつけたこの国の事大主義と小中華意識がやはり最大の欠陥ではないか。

日本人のお人好しが韓国に悪用されている風に感じている。韓国は官民あげて、そして日本国内の内外勢力と連動して色々な問題に積極介入し彼らの都合のいいように政治的に動いている。

日本人は国民一人ひとりが、心して、韓国に冷徹に、毅然として原則を重んじた対応をしなくてはなるまい。国益を考えて、表面的な友好に惑わされてはならない。

平成１９年１月５日

徳永日本学研究所　代表　徳永圀典