14日 国歌に就いて

 国旗と同様に国歌も同じである。無理に否定し、反感を挑発するように力んでおる者が多い。

「君が代」とは人民我々が主権者である今日、けしからん封建的観念であるとか、「千代に八千代にさざれ石の巌となりて」などは全く以って非科学的だなどとまで評する者もあるが、文芸というものを全く以てわからぬ者のたわ言である。

国歌は、何も国民に、国君一人を頌させるものではなくて、国民すべてが同慶、同賀する歌である。だから、新作せよなどと言っても、こんなに人心のばらばら時代に、名作の出ようわけがない。名作がいくら出来ても名歌にはならないのである。名人がいくらおっても名相にはなれないのも同様である。