15日 一隅を照らす その一

 我々が覚らねばならない事は、自分というものをお留守にして、ただ他力本願、自分は何もしないで外に求める態度ではだめであります。国民の心ある者が斉しく起って、まずそれぞれが己みずからに反って、せめて自分の分野、これを一隅という、これは伝教大師の言葉です。当時の知識仏教、理論仏教に対して大師が叡山に入って言われた「一隅を照らす」という言葉です。