大和「一思考」  徳永圀典

元旦にあたり大和に関する思考であります。

純真な少年時代、日本を大和(やまと)の国と教えられ、

 

  しきしまの やまと心を ひと問はば

     朝日に匂う 山桜花

 

この本居宣長の歌を心に刻んだ。

 

大和という言葉、日本の国を意味するだけでなく、いいろと学ぶにつけ、この言葉の深い意味を自覚してきた。素晴らしい意味を内蔵している。

 

宇宙も人間も、みな、大きい調和、和、しかも大和から成り立っている。

悪意や邪念をもって相争うことは全て破滅に繋がる。

   

?大和なくして、物事は、何が存在し得ようか。

 

例えば、我々の身体、飢えや苦しみや恐れや怒りや、さまざまの刺激に応じて変化する。

しかし、その為には容易に混乱したり破滅することなく、バランスを維持し、内外の刺激に応じて自分自身を調整し、安定させる自己調整機構を具備しているから常に大和を保っている。

 

これはあらゆる地球上の存在がそうなっている。

この恒常性、大和性をホメオステーシス、homeostasisと言う。

これを失えば破綻であり、破壊であり、疫病であり、死である。

恒常性は生き物のもつ重要な性質のひとつ、生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態を指します。大和、調和は、生物が生物である要件のひとつであるほか、健康の重要な要素でもあります。生体恒常性とも言われる。

恒常性の保たれる範囲は体温、血圧、体液の浸透圧力、ペーハー、をはじめ病原微生物、ウイルスという異物(非自己)の排除、傷の修復など生体機能全般に及ぶ。

恒常性が保たれるためには、これらが変化したとき、それを元に戻そうとする作用、すなわち生じた変化を打ち消す向きの変化を生む働きが存在しなければならない。これは、負のフードバック作用と呼ばれる。この作用を主に司っているのが間脳視床下下部、その指令の伝達網の役割を自律神経系や内分泌系、ホルモン分泌が担っている。

体温、血糖値、免疫、血中カルシューム、恒常性が保たれている摩訶不思議、これ「肉体の大和」であります。大和なくして生存は有り得ないのであります。     

 

大和に関する新年の一思考であります。

 

       平成29年元旦

    鳥取木鶏会 会長 徳永圀典