1月5日 佳書・佳人・佳山佳水
ここで言う書とは、それを読むことによって我々の呼吸・血液・体液を清くし、精神の鼓動を昂(たか)めたり、沈着(おちつ)かせたり、霊魂を神仏に近づけたりする書のことであります。佳(よ)いものは何でも佳いが、結局佳い人と佳い書と、佳い山水との三つであります。佳い書物だけは、いつでも手に執(と)れます。不幸にして佳人(かじん)に会わず、佳山佳(かじんか)水(すい)に会わずととも、佳書(かしょ)にだけは会いたいものであります。佳書によって、我々はしみじみと自分自身に話すことができるのであります。 新憂楽志