鳥取木鶏研究会 平成19年1月例会
1.本日のメインテーマ、「活学」徳永担当。 --安岡正篤先生の講演(昭和34年7月講話)より。
2.「元旦や一系の天子富士の山」
元旦には家の床の間に富士山の絵を飾る家も多いと思われる。静かな元旦の朝を迎える度に日本人に生まれたことを感謝する。それは永遠に平和の続く天子の国、万世一系の日本の有難さは富士山と繋がるのである。
日本は美しい国である。そのシンボルが富士山、左右の均整がとれ、天空に聳え立つ容姿、気候の瑞々しさが醸しだした「玲瓏玉の如し」、荘厳、雄大、秀麗、優美の趣は世界一であり、日本民族の宝であると共に世界人類の宝である。
世界に宣言したい。「ナポリを見て死ね」は古い、小さい、小さい、ナポリ程度なら鹿児島湾、「富士を見て死ね」と。
3.底知れぬ堕落をした日本人
日本の政治・経済・教育等々、日本は生死関頭に立つといってもよい危機にある。これを救う道は唯一つ、慨然として精神的に立ち上がる指導者たちの輩出である。身を挺して修養努力する先覚者、指導者を一人でも多く出す以外に救いはない。いくら、わいわい大勢を集めてデモなどやってみたところで、正しい時代の創造、変革というものは決してできるものではない。むしろ個人個人の個性に徹してゆく信念や、切磋琢磨、その少数のグループというものが必要なのである。それがある時期がくると大きく変化する。全局を動かすようになる。人間維新より
4.窮すれば通ず
日本は底知れぬ堕落をした。しかし「窮すれば通ず」の理で、精神さえしっかりすれば、必ず運命は開ける。すべては立志と、人物の如何である。今までのような精神性のない、低級な享楽的・功利的惰民ではもう何も生まれない。
5.気概・信念
いつの時代、どの国家でも、純真な精神と真剣な学問信仰に生きた人々は、その時代と俗衆の退廃や迫害に悩みながら毅然としてその信念を深めた。
「天下これを信じて多しとなさず、一人これを信じて少なしと為さぬ」の信念気概を以て、少数の同志者との切磋琢磨に力めたものである。これこそあらゆる独創性の源泉であり、偉大な行動建設の出発点であった。伝習録
6安岡正篤先生のこと
群盲、象をなでることにならぬ為、どんなお方かを先生の非売品の講演録の勉強で直接に先生を知ることから始めたい。
平成19年1月7日 徳永圀典