18日 目耕

 人間の内実を最もよく表すものの一つに目があるが、その目に関して「()(なり)」という語がある。弁舌など(ろう)さずに、目で事を成すものだ。「目挑心招(めちょうしんしょう)」(目で挑む、心で招く)といううまい言葉もある。

真剣に読書することを「()(こう)」という。晋の王韶之(しょうし)が若い時、貧乏もかまわず本ばかり読んでいる。家人が「こんなに貧乏なのだから少しは耕したらどうか」とそしると、彼曰く「我常に目耕せるのみ」と。書斎などに掲げておきたい語だ。  照心語録