独・仏の近現代史
大東亜戦争中、フランスはアメリカ、イギリス、中国、オランダと共に、所謂、ABCD包囲網で日本とドイツとイタリアと戦った。ドイツとフランスは歴史的に犬猿の仲であった。
そのフランスは、現在EUの中心国としてドイツと深い関係にある。言うならば、「独仏恒久平和体制」を構築している。イギリスはEU離脱を模索しアメリカに近い。
なぜ戦争を共に戦ったアメリカとフランスが離れたのか。
先の大戦で圧勝した独り勝ちのアメリカは、戦後の対ソ連との冷戦、即ちイデオロギー対決に力尽き経済を疲弊した。戦後ニクソンは世界一の金保有による兌換を廃止し、力の劣化を防御しようとした。
その頃、ドイツ欧州はアメリカの傘の下で経済の力をつけたのは日本と同じであった。アメリカにはドイツを守ってやったとの強い気持ちがあるのだ。
トランプが言葉汚くドイツを悪し様に言うのは、ここにアメリカ人の心が見える。
ドイツ等はアメリカの冷戦対決により平和を得た、
アメリカは「平和の配当」を求めているのである。
冷戦は1995年、平成23年終結、中国は海のものとも山のものでもない状態であった。
当時、ニクソンにより日本はとてつもなくやられて我々もクリントンに印象は実に悪い。当時、石原慎太郎とか江藤淳とかは「NOと言える日本」とかの時代である。
現在、敵国であったフランスとドイツは枢軸関係となっている。
私は、背景に、アメリカによる平和の配当要求に嫌気がさしてのEUでありユーロであったのであろう。国益には精神論だけでなく経済ですね。
だからアメリカの中国に対する思いは裏切られたとのものがあり本気。
日本も平和の配当を色々とうまくかわしてきた、アメリカもドイツとは多少異なるがアメリカとの交渉は国益がかかっている。しかし、アメリカなくして日本は独り立ち不可能。限界のある日本を痛感しています。
平成30年10月1日
徳永日本学研究所 代表 徳永圀典