運命は「食べ物」に在り
1日 |
江戸時代の大人相見・水野南北は、百発百中の人相見であった。万人に1人の誤りも無かったという。 |
2日 |
水野南北は江戸時代の中頃、京都に住みも聖徳太子を教祖として学びさらに神道、儒教、仏教の三道を深く研究した。 |
3日 |
尚、三年間、散髪屋の小僧となり、頭の相を研究、次の三年間、風呂屋の三助をして、体の相を研究した。 |
4日 |
著書に、南北相法全十巻、神相全編理解燕山相法理解、相法対易弁論麒麟の巻、鳳凰の巻、草木の伝、南北相法修身録、君臣諸侯伝などの極意書がある。 |
5日 |
さて、「水野南北 開運極意」、万人に1人も誤りもなし、を披露する。 |
6日 |
処が、或る時、 |
7日 |
それからは、人を占うのに、 |
8日 |
そして、これを人に勧めるだけでなく、私自身が率先して実行し、一生涯、少しも米を食べず、唯、麦を一日、一合五勺だけとし、酒は大好物だが、これも一日一合と定めた。 |
9日 | ○人間一生の吉凶は、みな只その人の飲食による。 恐ろべきは飲食である。 |
10日 | ○飲食が分限より少ない人は、人相が悪くても吉であり、相応の福分を得、長生きし晩年幸福である。 |
11日 | ○飲食が分限より多い人は、 |
12日 | ○小食で、厳しく定めている人は、 |
13日 | ○大食であって、その上、量も時間も決まっていない人は問題外で、一生涯、運は良くならず、遂に家庭を壊し、病気になる。 |
14日 | ○飲食に定めがあっても、時々少しでも多かったり、 |
15日 | ○寿命の長い短いは、ただ人相だけでは定めにくく、平常の食事の量を調べて占うと、万人に一人の失敗もない。 |
16日 | ○病気のない吉相の人であっても、若い時から毎日、贅沢な食事の人は、年をとって胃腸の病気になる。 |
17日 | ○毎日、仕事に精を出すだけでは、立身出世するものではなく、一所懸命、倹約して、大食を慎み、少しでも天から頂いている食物を延し、これを基礎として立身出世を計るより他はない。 |
18日 | ○厄年に大難の相があっても、いつも奢った食事をせず、厳重に定めている人は厄を免れる。 |
19日 | ○酒や肉を多く食して肥え太った人は、一生涯、出世発展することがなく、慎しまないと晩年不仕合である。 |
20日 | ○自分が後々、立身出世しようと思うならば、先ず第一に食を減らして厳重に定めること。これが出来る人は必ず立身出世をし、出来ない人は生涯立身出世の見込みがない。 |
21日 | ○繁盛している家の運が尽きて潰れようとしておっても、もし後継ぎの主人がその食を減らして厳重に守ると、収入が自然に延び、家運は栄える。 |
22日 | ○例え貧乏で苦労の多い人相でも、自分自身で、貧乏人らしく粗末な物を食べ、これを厳重に守り抜く時は、自然に貧しさから抜け出して相応の財産が出来る。これを自福自得という。 |
23日 | ○普通、「気が強い」というのは、ただ強気一方で、がむしゃらに非道を押し切ってするのを言う。酒や肉をたらふく飲み、たらふく食べて、いかにも元気そうにみえを張るのは本来、天理に背くもので長くは続かない。 |
24日 | ○例え千日千夜祈ったとしても、そこに誠が無かったならば、決して神明には通じない。 |
25日 | ○一つの道に秀れているものは、たとえ慎しみが堅固であったとしても、天は更に困窮を与えられることがある。 |
26日 | 目的を達成することが出来ない。例え、小人であっても飲食を慎しんで、厳しく決めると心は乱れない。 運はめぐるである。善いことも、悪いことも、みんな自分の実行に従って廻ってくる。 |
27日 | 運は報いるである。自分で一度善いことをすれば、その報いは必ず自分に廻ってくる。 |
28日 | ○命のある間は、どんな人にも運がある。朝早くから起きて毎日の仕事に精を出し、その上、飲食をつつしんで怠らなければ自然に天理に適って運は段々と開けてくる。これを開運という。 |
29日 | ○飲食を慎しんでおると心も体も健康で、気が自然に開けてくる。気が開けると、運もそれにつれて開けてくる。決して誤りではない。 |
30日 | ○人相の善い悪いをはっきり知ろうと思えば、先ず自分で飲み食いをつつしみ、一切の無駄を無くし、そうして三年続けたならば、人相の善し悪しは自然にはっきりする。 |
31日 | 私はいつもこれを実行して自然の善し悪しを、自分で納得してから、みんなの人相の判断をした。 私は相法皆伝の極意は、決してこのほかには何もない。完 |