深刻な日本の弱点
必要なことは人材の養成、準備ということであります。これは政治ばかりではありません・経済も、教育も、みな同じであります。よく時勢を洞察してその準備が必要です。人材が乏しいということは、今日の日本の最も深刻な弱点でありましょう。
何故そうなったのかと申しますと、文明の一つの傾向が人間をそういう風にしたということです。そこで人間革命という議論が起る所以であります。然し、そういうことを申しておっても恐らく間に合いません。
国民の真の自覚が必要
昔から「天下は自に人なしとせず」という言葉もありますように、国民の総てが真剣になって努力すれば、自ら人も出てくるというものであります。
いづれにしても今迄のような因習的政治では駄目であって、このままでは取り返しのつかない運命にあるということは、或る意味においては厳粛な事実であります。
志を持ち覚醒を
このように煮詰めてまいりますと、結局、人間は学問・修養しなければならぬということであります。
ただぽかんとその日その日を機械的、因習的に暮らしておるというのでは、所謂迷える羊になってしまいますので、志ある者は本気に目を覚まして真剣に学問し修養するということより外に日本及び日本民族を救う途はないということであります。
そういうことを自覚して書を読み、また人物を検討、研究する。これが活学でありまして、そういう意味において益々活学が必要であります。深く反省を要する問題であります。
安岡正篤先生の言葉