10月13日 理想・空想・現実

 理想主義は、よほど本人がしっかりしないと空想になる。どちらかと言えば現実主義のほうが間違いが少ない。その代わり、これが間違うと固陋になり、進歩がなくなる。少々進歩がなくても確かな方が安全だ。だから人間は自然には、だいたい現実主義者である。そういう意味から、少し危なつかしくても理想主義者のいるほうが刺激的で進歩があるともいえる。なかなか人間は難しい。理想が本当のものであればあるほど現実の上にしつかりと立脚して進まなければならない。これを実現という。現実、実現、理想、これを「三才」という。         知命と立命