相に就いて その三 

「形相」の続きじゃ。 

「頭は直ならんことを欲す」 

頭というものは垂直でなければならんと言うこっちゃ。キョロキョロしたり、下ばかり向いて歩く人間は立派になれん。 

「腰は硬ならんことを欲す」 

硬は、(こわ)ばることではない。ぴたっと腰が決まることじゃ。ふらふらした腰構えでは何も出来ぬ。腰がピタット決まらぬと、ゴルフも駄目、肉体労働も出来ぬだけでなく、胆が据わらず、神基盤が決まらない。 

次ぎは「脳」だ、

「脳は(こう)ならんことを欲す」 

脳は、格別に発揚するものがなくてはならぬ。

頭は形、脳は内容かな。受験で頭を(かし)げたり、脳を屈したりしている奴を見かけるが、ああいう勉強の仕方ではいい結果は生まれない。脳は朗々と昂然としておらねば脳は活きてこないんじゃ。 

                  岫雲斎