10月15        理想精神

 理想精神が旺盛であれば、人は進取に急であって、区々たる唯物的享楽に拘泥する暇がないのみならず、そんな享楽を潔しとしない。故にその社会も民衆の日常生活は必ず簡素であり、剛健であって、その上創造的生活の必然的理法で民衆相互義理人情を弁え、信念あり、節操がある。平素の生活が簡素剛健のところへ、互いに義理人情を尽くして創業に邁進すれば、自然に秩序は整い、産業興り、各人に経済的余裕も生じ、社会全般に美しい道徳的雰囲気と活気が漲ってくる。これが真の礼楽である。    政治と改革