坐相 その一 

次ぎは「坐相」である。坐った時の姿じゃ。 

「坐は端厳(たんげん)ならんことを欲す」だ。 

最近の戦後生まれの君たちは、だらしない姿をしているから端厳という言葉の意味が分るまい。それはだ、

厳かなことだ。威厳があるようでないとトップの資質として駄目だ。

では、どうすればいいのか。
 

「坐は山の如し」

坐ったら山のようにどっしりと落ち着いていなくてはならぬ。 

どのように身体を維持するのか、

「肩は円、(うなじ)は正、体は平、起坐(きざ)(まん)だ。 

要するに、肩は怒らせないで、ふつくらとした肩がいい、首は真っ直ぐとは述べた。
体は平らかで、起きたり坐ったりする動作は、ゆったりとしたのがいい。
ぎっくしゃっくしておるのは好くないのじゃ。

若し是れ(たい)揺ぎ足動く者は(せん)なり」とあるように、身体をぐらぐらとよく動かしたりするのは貧相、椅子の下に組んだ脚の行儀の悪いのは講話をしている方も、見ていて、こやつ、真摯に聞いていないな、本気で緊張して聞いていないなと思われるのが関の山じゃ。

                            岫雲斎