日本あれやこれや その30 
平成18 10月

 1日 鎮守(ちんじゅ)

日本人は神代の昔から21世紀の現在まで、一貫して貫いているのは神道である。

村の鎮守さまとそのお祭りは日本民族の「心のふるさと」と言える。日本人の住む所にはその中心に必ず氏神(うじがみ)様が祭られている。

これは(やしろ)で全国に八万社ある。大部分の社には神主さんとか宮司さんは不在、無人のままでも誰もバチが当たると神域を(けが)す者はいない。集落の人たちが交替で当番を決めて二千年以上も代々守り続けてきたものである。
 2日 神道は日本生まれの唯一の信仰

神道とは日本人にとり何なのか。神道が分かれば日本が分かると言われる程、日本人の心や文化の根を形成した重要

な文化現象である。
然し、神道はなお多くの未解決の謎を秘めた不思議な宗教でもある。

 3日 欧米流の宗教ではない神道

神道には近代宗教が具備すべき三条件である、特定の教祖、教典、教団や宣教師もいない。

明治になり欧米人が言う所のリリジョン、Religionを宗教と翻訳するまでは、宗教に相当する概念さえなかった。
 4日 あるがまま

神道は、「自然と一体となる思想」で自然を在るがままに受け止め、畏敬し、感謝し自然に溶けこもうとする考えである。
神道は他宗教のように聖人賢者が上から押しつけ与えたも

のでなく、民族発生と同時に生まれた「民族の体質」、「民族の思考性」がそのまま信仰となつたものである。日本人の生活環境にぴつたりと沿うもので、日本人の国民性の体質、つまり「国体」と言える。
 5日 教祖を持つ神道以外の宗教

教祖を持つ神道以外の宗教は、絶対の神に絶対的価値をおき、それ以外はすべて異端として否定する排他的独善に陥

っている。神道は他宗教に対して極めて寛容性があり、包容性を持ち争わない。
 6日 宗教と戦争

世界史上の戦争を突き詰めてその原因を見ると、大部分が宗教戦争と言える。中世の典型的な宗教戦争の30年戦争(1618)やキリスト教の聖地の争奪で200年も争った十字軍がその例である。

21世紀の中東戦争も、ユーゴーの紛争も、インドとパキスタンの争いもみな宗教が原因である。同一の宗教でも宗派が違うだけで、深刻な争いが続く。キリスト教のカトリックと新教(プロテスタント)の争い、イスラム教のスンニ派とシーア派も好事例。
 7日 宗教の束縛
(神道を除く)
人間を救う宗教でどれだけ多くの人々が生命を落とし、苦しんだか。宗教は一度信じたらその宗旨や儀礼に束縛され、宗教の語源通り、しばりつけられ、呪縛されることになる。宗教は一種の麻薬のような働きをする。人々は硬直した儀礼に結び付けられ近代的合理生活の進歩発展を妨害され勝ちである。 インドのヒンズー教徒は牛は聖なる動物として、どんなに餓えても牛肉は食べない。イスラム教徒は豚は不浄な動物として豚食は禁止されているし、どんなに忙しくても、仕事中でも一日五回もメッカに向かい敬虔な礼拝を欠かすことはできない。近代宗教と言われる一神教を信ずる国々の不幸はここにある。
 8日 多神教で宗教でない神道

迷信的宗教の儀礼の束縛から自由で、近代化を遂げることができたのが日本である。

脱宗教による近代化で日本社会発展の重要な背景と言える。
 9日 発展の重要素「神道 日本発展の謎が神道だというのに、国民の中には、まだマッカーサー占領政策の一つ神道指令に怯えて神道を戦犯扱いとして拒否する勢力の無知蒙昧には驚かされる。 アメリカの教科書には日本神話のイザナギ・イザナミの男女二神の物語と三種の神器が絵入りで教えられている。日本は神々の国で、国名の日の本とは天照大神という太陽神の信仰に由来することが正しく教えられている。
10日 森の神 森の在る所に文明は興り、森を食い潰した時はその文明は滅んでいる。日本は過去も現在も、国土は深い緑に覆われて、いよいよ栄えている。それは神道が豊かな森との共生の思想だからである。 日本の神は必ず鎮守の森に鎮座しておられる。キリストの教会や、回教のモスクは森の自然は野蛮として全部伐り払って広場にし、自然を征服するという誇らしげに聳えている。彼等には森の中の聖地、教会という思想は存在しない。森の中で祈る気持ちは日本人以外は考えつかなかった。神社とは神の在ます森のことである。
11日 共生の神道 神道のみ森と共存し、森を神聖なものとして大切にする。ヨーロッパ文明は、自然征服、自然破壊の欲求からうまれた文明で、現在の地球環境破壊の元凶であることが明白と なってきた。自然と環境に優しい神道の思想こそ、世界を救う普遍的な文明と言えるし日本人は自信を持たなくてはならぬ。
日本の神様 地球・人類を救う大神さま
12日 自然崇拝
先祖の祭り
人間に幸せをもたらす森羅万象の偉大なものを神として崇めます。 (自然崇拝) 人間の幸せを築いた古代の偉大な人物も神として崇拝します。 (先祖の祭り)
13日 森林

労働

森と水は人間や万物の命を育てる元として、こよない感謝の対象とされています。

(森林は万物の命の水と酸素を育成)

日本の神様は、自ら働かれ神様の先祖の天照大神(女性)は、機織されていた。現在も天皇自らが田植えされ、皇后が養蚕される伝統が現在も続いている働くこと、手を使うことは日本の美徳です。
(労働は日本では欣労) 
14日 大地の保護

清浄清潔
森の中のお(やしろ)に鎮座されて、簡素・質素を旨とされ地域や住民を護られ見守られています。
(
勿体無い精神、大地の保護)

水は生命の元であり、その清浄・清潔を大切にされ「ハラエタマエ・キヨメタマエ」を祈りの言葉とされています。(清浄清潔は健康の基本)

15日 人間の平等性

普遍的原理

一般庶民も死んだら、どなたも神となり「(みこと)、または(みこと)、ミコト」と 呼ばれます。
(
先祖の祭り、人間の平等性)

日本の神さまは、限られた地球の資源、人類の生存にはなくてはならない普遍的な原  理が潜んでおります。これは21世紀の地球・人類生存の不可欠な原理と言えます。 (人類生存の普遍的原理)
16日 自然環境保護の大神

日本の神さまこそ、世界の人々がその精神を大切にしてよい素晴らしい人類生存の原理と言えます。環境保護の大神さまと申せます。

(21世紀の人類に不可欠な自然環境保護の大神)
17日 神道の中心儀礼 それは「清め」である。日本は温暖多湿であり、緑豊かな国土で食物は恵まれた。だがカビや微生物の繁殖が旺盛で食物は腐りやすく疫病は流行しやすかった。 これらの「けがれ」から逃れるための「清め」が神の道の中心儀礼となつたのである。
18日

「けがれ」対策

それは、「塩」「水」そして「火」であり神聖なものとされる。神の行事の「斎戒沐浴」とか「清め給え、祓え給え」である。 神道はこの一点張りとさえ見える。ヨーロッパ人の信ずる神のように教訓を垂れる必要はなく、国民の生活が清潔で清められていればよかったのである。日本人の衛生思想から生まれた自己保全の民族の知恵である。
19日

参拝前の清め

伊勢神宮の五十鈴川の水で手口を清め、玉砂利を踏んで神殿に額づき「なにこどのおわしますかは知らねども、かたじけなさに涙こぼるる」と西行さんの心境に自然となるのである。 英国の世界的歴史学者のアーノルド・トインビーが、あこがれの伊勢神宮に参拝して「この聖地に於いて私は、すべての宗教の根底的統一性を感得する」と感動して毛筆で記帳した。神道こそ地球人類の危機を救う地球宗教になると予言した。
20日 神の労働は神道だけ 天照大神は機織(はたお)り、男神も田畑を耕し、お稲荷(いなり)様は稲の(たば)(かつ)いで運ぶ。 最高の神官であられる天皇様は国民を代表して田植えをされ、皇后様は(かいこ)を飼われて絹を作られる。キリスト教では労働は卑しい苦役(くえき)で天罰と見る。
21日 働くことは生きる喜び 日本では働くことは生きる喜びである。欣労(きんろう)なのである。だから世界経済で成功する日本となる。 近代企業のビルの屋上に必ず信仰する神社の社殿が祭ってある。社屋の起工式には古式の神事のお祓いをする。
22日 初詣 殆どの国民が、最寄りの神社仏閣に初詣に行く、一年の計を神に誓う。神棚には初代の神様や日本の為に尽くした人、つまり私たちの祖先を祭り 仏壇には我が家の近い祖先を祭るのである。神仏両方ともに、精神は祖先崇拝の思想で貫かれている。この敬神崇祖こそ日本道徳の基本である。
23日 日本文化の真髄天皇の国 日本の国体とは何かと聞かれれば即座に「万世一系の天子の国」が古来からの正解である。 元旦には「一系の天子、富士の山」と口ずさんで、平和な天皇の国に生まれたことを感謝する。世界の識者が羨ましがる天皇の国である。
24日 日本民族の知恵 世界に比類無い日本の国柄は、神代から続く伝統を保持しようとされる皇室の努力と、これを絶対に守り育ててきた日本民族の尊い知恵そのものである。 皇室の繁栄は、そのまま国民の繁栄であり、皇室の慶事を国民は我が事のように慶賀する。天皇の本質を理解することは日本文化の真髄を理解することに通ずる。
25日 天皇のいない日本は無い 天皇のいない日本は、日本ではあり得ない。天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合のシンボルで元首である。 これは古代の建国から現代まで一貫している。このような国は世界にはない。この統合性と連続性こそ日本の天皇の特色である。
26日 天皇制とは言わないこと 天皇を無視し、これに触れない日本論は信用できない。虚構の論に終わる。これは絶対的事実である。二千年の連綿とした連続があるからだ。 皇統は百二十五代、今年は紀元2666年である。天皇制とは共産党が言い出した侮蔑言葉である。制度とかいうチャチナものではない。建国以来、民族の中に自然発生した国柄という文化なのである。
27日 天皇は神道の発生と同根 特定の実力者が創り上げた制度なら、別の野心家により何度も変革し崩壊していた。 この皇統は神道の発生と同根で、民族がこの風土から学びとった、惟神(かんながら)の道である。古代から愛情を持ち育て守り続けたものである。
28日 親子の関係 皇室と国民の関係は、本家と分家、君民一体の絆は、親と子の血で結ばれているのと同様な関係である。 国民は、天皇との関係を理論的に知らずとも、天皇の御前に立つとジーンとした血のざわめきの感動を覚える。天皇の血と私たちの血はと同一起源から発して共鳴する。
29日 日本人は親戚同士 人間には二人の親、二代前は四人、10代前の親は千人台、20代前の親は100万人代、30代前の親は早くも14億人とちなるという。 125代前の神武天皇の昔から日本国土に生きた人間の数は約45億人と推計されている。だから相互に親を何度も共有し親戚同士でなければ数が合わない。
30日 家族国家の日本 日本は純粋培養的にこの列島で生きてきた。完全封鎖の島国であった。相互に血がつながりあって日本人は形成された。 だから天皇家を本家とする家族国家となるのは当然、誰もどこかで天皇家とぶつからねば自己は存在しない。天皇に姓がないのは、このような総本家の意味がある。
31日 青年の自信で甦る日本

青年よ自信を持て。

日本人の先祖がいかに生命を賭してして国を守ってきたか、戦争の実相を知り日本と祖先に感謝する気持ちが本物になれば、特に青年諸君がそれの真の自覚をしたら日本に生まれたことに必ず誇りを持つでありましよう。

それだけの偉大な歴史を我々の先祖は成し遂げてきている。国史を知らない怠慢があるから自虐して祖先の血の滲むような研鑽を蔑ろにする。平安時代からの日本文明は独自のものであり、白人より高い文化生活をしていた。中国文明を超えていたし江戸時代には中国の儒学を超えて、中国人に欠けた「誠」の思想にアウフヘーベンしていたのである。青年よ自信を持て。