油断ならぬ中国 

安倍総理就任と共に、あれよ、あれよと言わんばかりの中国の対日態度の転換である。あれだけ、騒ぎ立てて、この始末、この中国の融和的態度に、日本人は、あっけにとられて、挙げたコブシを納めてしまいそうである。

決して油断してはならない。中国には心して警戒を要する。

        所感

@中国の対日意図にはなんらの変化はない。

A中国の戦術的変化に過ぎない。

Bアメリカが疲弊している。中国の外貨準備は一兆ドル、アメリカの急所を握っている。日本と違いこれは中国の対米核武器となる。

C本来のアメリカならとっくの昔に北朝鮮など歯牙にかけず崩壊させていた。クリントン時代にチャンスを失った。イラクでアメリカは疲弊しているから北朝鮮が強く出ているのだ。ブッシュアメリカは北朝鮮を軍事的に壊滅させる気持ちは無いと思われる。

Dアメリカの対中国の各種経済政策が弱気に推移している。元高に誘導できないし、アメリカ財務長官も中国には弱腰である。

E元々、アメリカは中国に対するシンパシィがある。

暗黙の中に、東アジアの極東は中国に一任の方向を示しているのではないか。北朝鮮問題など中国任せで弱腰すぎる。

F北朝鮮問題を中国に一任するという事は、近未来の極東アジアは中国が覇権を制圧してしまうと同義語であろう。

Gさすれば、日本はどうなるか、アメリカがグァムに基地を移転するということはアメリカは日本の本土を守る気持ちが無いということになる。

Hさて、そうなると、日本は自分で自分の国を守るという事を具体的に確保しなくてはならぬという事になる。

I野党も与党もないのである。政府と一丸となり、「日本を守る為に日本は何をしなくてはならぬか」を考えなくてはならないという結論になる。 

日本人よ、他人ごとはない。浮かれておられない。

アメリカは日本の決断を求めているのではないか。 

核の問題を言論封殺するなど、平和ボケそのものである。

生存をかけた対策立案が真に必要である。 

平成18年10月21日


     徳永日本学研究所 代表 徳永圀典

10月22日下記を発見した。

「 日本保有の国力すべてを支配下に置く これが中国共産党の対日基本戦略 」

『週刊ダイヤモンド』    2006年10月14日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 661


私の手元に1972年8月に「国民新聞社」が出版した小冊子がある。「中共が工作員に指示した『日本解放』の秘密指令」という題で、中国の秘密文書「日本解放綱領」の訳本である。出版は、田中角栄首相が日中国交樹立に向けて走りに走っていた時期だ。

この小冊子は、安倍晋三新首相の中国訪問のこの時期、再度目を通しておくべき内容だ。日中友好はむろん大事だが、それは日本の国益を担保するための手段であり、目的ではないことを確認するためだ。外交は国益実現の手段という考えは、ほかならぬ中国も国交樹立以前から対日戦略の根幹として党綱領で定めていた。そのことを具体的に説いているのが、中国共産党の右の小冊子だ。

それによると、中国共産党の対日基本戦略は「日本解放」、つまり、日本の共産化である。具体的には、「日本が現在保有している国力のすべてを、わが党(中国共産党)の支配下におき、わが党の世界解放戦に奉仕せしめること」と書かれている。そのための工作、行動要領、総括事項が説明され、さらに同文書には(1)日中国交樹立、(2)民主連合政府の樹立、(3)日本人民民主共和国の樹立という三つの目標が掲げられている。(4)の最終目標には「天皇を戦犯の首魁として処刑」することも明記されている。

同文書では、田中内閣の成立で、(1)の目標は達成されつつあるとされ、工作が第二期に入ったと前置きされている。次の(2)の目標達成のために心理作戦、マスコミ、政党、左右両団体への工作、在日華僑対策の進め方、中国大使館開設に伴って筋金入りの工作員2,000人を派遣することなどが指示されている。

内容があまりにもおどろおどろしいために、多くの人は信じないかもしれない。「共産主義革命」などいまさらありえず、日本の共産化も非現実的だと考えるかもしれない。しかし、大事なことは、これは中国共産党による日本解放の綱領であり、対日戦略の基盤だという事実だ。日本の為政者は、そして経営者も国民も皆、どれほど非現実的であっても、中国共産党は元来こういう考えを持っているという事実を知っておかなければならない。

右の文書は、第二期工作の冒頭に「群衆掌握の心理戦」の重要性を掲げている。「(中国への)好感、親近感をいだかせる目的は、わが党、わが国への警戒心を、無意識のうちに棄て去らせることにある」、そのために「日本人大衆が中国大陸に対し、今なお持っている『かがやかしい伝統文化を持っている国』『日本文化の起源』『文を重んじ、平和を愛する民族の国』というイメージをかきたて、さらに高まらせる」と指示している。

同文書作成から30年余が過ぎたからといって、中国共産党の基本戦略が変わったとは思えない。戦略実現の戦術は確かに変化してきた。文書に規定された“ソフト路線”は江沢民政権の“強硬路線”に変わり、今また、江勢力を追放しつつある胡錦濤政権によって柔軟路線に立ち戻りつつある。

それでも中国共産党の基本戦略はいまなお不変だと、私は考える。が、注目すべきは、この間に日中両国に生じた変化だ。第一に中国の国民が中国共産党政治を忌み嫌い始めた。中国大手のニュースサイト「網易」のアンケート調査では「生まれ変わっても中国人になりたいか」との問いに64%が「なりたくない」と答えている。もう一つの変化は日本だ。日本国民は想像していたほど中国は立派な国ではなかったこと、中国共産党の政治は非人間的で、あくまでも力によって押しまくる戦略が基底にあることなどを感じ始めている。

こうした変化に、私たちは希望をつなぎつつ、中国政府の真意を常に認識したうえで、日中関係を築いていかなければならないのだ。