食相 その二 

(うなじ)伸ぶること馬の如きは一世(いっせ)(しん)(きん)」とあるんじゃよ。 

馬が飼料を貰う時、首を突き出して、食べ物の方へ首を持って行く。これを馬食(ばしょく)と言うんじゃ。 

こう言う食べ方をする人間は一生苦労する、貧乏するとしたものだ。 

人間も動物化するとこのような食べ方をする、飽食の現代、礼儀も作法も親が教えない動物みたいな人間が増えてきた。 

宴席などに座っておると、どこかの部長とか重役らしい相当らしいのが、こういう食べ方をしているのが時々おる。 

食べ物に、首を突き出して口を持って行くのじゃが、こういうのは一生苦労する相である。

                 岫雲斎