10月24日 徳業に

 事業でも、力づくでやっておると、いずれ競争になって困難になる。事業が人間性から滲み出た、徳の力の現れであれば、これを徳業と言います。事業家は進んで徳業家にならないといけないのです。また、その人の徳が古に学び、歴史に通じ、いわゆる道に(のっと)っておれば、これを道業と言います。東洋人は事業だけでは満足しないのです。徳業にならないと満足しないのです。現代の悩みは、事業が徳業にならないで利業・機業になってゆくことです。全てが機械的になって、凡そ人間的交わりというものがなくなってしまいました。   人物を修める