“日本の誕生歌普及会”会長? 

人間にとって自分がこの世に生まれた日は格別の思い入れが誰にでもある。齢を加えてくると、よくもまあ、今日まで生きて来たものだ、更に高齢となると、よくもこの年まで生かされてきたものだとなり感慨が一入(ひとしお)深いものとなる。
戦後生まれの子供たちは、誕生日とはお祝いを貰うもの、ケーキを食べる事を連想するのではないか。小さい子供たちのいる家庭では、若いお父さん、お母さんがテーブルの上に子供の年齢と同数の小さいローソクを立てたケーキ、そのローソクを吹いて消させる家族団欒の素晴らしい家庭風景もあろう。そして、ハッピーバースディ・トウユウの誕生ソングを歌わせている家庭もありましよう。

そのハッピーバースディの祝歌だが、私も若い時は関西各地のロータリークラブ
(
RC)例会で、会員誕生日では当たり前のように歌い、ゲストはハイと言えばいいのにヤーなどと発声する、外国で生まれたRCだから英語流にやるのかな程度に思っていた。
鳥取に帰郷し鳥取北RCに所属したが会員は尊敬する鳥取一中先輩同窓諸氏を初め友愛に満ちた方ばかりで私は死ぬまでこの北RCに所属したいと思ったこともある。理由の一つに、ここで歌う誕生歌が日本語であったことだ。

全国各地の例会に参加しておりながら、日本語で誕生歌を歌うのは鳥取北RCが初めてであったが実に感動した。鳥取北RC創設時の会長はどなたか知らぬがその高い見識に改めて深い敬意を捧げたい。

当時、私はこの日本語の誕生歌詞について本部に探求しRC誌に愚生の寄稿が掲載されたのだが、歌詞の作者は、清潔な美声で朗々と歌唱をされていた歌手藤山一郎氏であると判明した。

曲は英語の誕生歌と同様だが、実にしみじみとして、相手への情感がヒシヒシト湧いて親愛感がつのるような思いがするのは私だけではあるまい。

私は、ここ
10年、県内外で日本の神様、日本の原理、日本のことを知ろう、国際経済問題など多岐にわたる講話をする機会があったが、タイミングを選び、必ずこの日本語の誕生歌を披露してきた。
そうすると、みな知らなかった、素晴らしいと、必ず大きな拍手が起こりアンコールを所望されてもう一度歌うハメになるのである。

ここは日本であります、素晴らしい日本語の誕生歌があるのです。日本人なのだから、是非とも日本語の誕生歌を歌唱しようではありませんか。

古代、ユダヤ人は国を失い民族は離散してばらばらとなり、二千年間世界各地を放浪して戦後、遂にパレスチナの地にイスラエルを建国し民族の夢を果たした。その成功の秘密は何であったのか。ユダヤ人は世界各地にバラバラになって居住し幾多の迫害を受けたけれども、どこの国に居住していても子々孫々に自分達の国語を伝え続けてきたからだといわれる。

なぜか、国家とは物でもない、勿論お金でもない、民族の言葉であり伝統であり精神であるからであります。だからユダヤ人は国土、国家復活の夢を果たすことが出来た。

スペインとアメリカの属領となり母国語を失ってしまったフィリピンのようにならない為にも日本語という世界に誇る言葉をいついつまでも大切にし、子々孫々に正確に伝えて行かねばならないと思う。

では、その日本語の誕生歌の歌詞をご紹介します。是非とも広めて欲しいものであります。

「祝えや いざ 君の誕生日 いついつまでも すこやかなれ」。はい、アンコールですね、

「祝えや いざ 君の誕生日 いついつまでも すこやかなれ」。
 


平成18年10月2日

鳥取木鶏研究会 代表 徳永圀典