時勢の流れ 10

国際時勢

 中国関係

1.   カナダ

 カナダには「投資移民」という外国人に永住権を与える仕組みがある。2014年2月カナダ議会は新移民政策が提出された。移民受け入れ基準を大幅に厳格化した--事実上、移民の過半を占める中国移民の締め出しである。

2.   アメリカ

 米国務省は14年8月25日から10月1日の期間限定ではあるが中国人に対する投資家ビザ発行を一時停止した。中国からの申請人数が急増し、移民枠が満員になりかねない状況なのである。中国の投資家は、すでにビザ発給数の85%を占める。

3.   中国

 中国国営新華社通信が発行『参考消息』の報道(8月21日付)によると、中国人富裕層(資産160万ドル=約1億6700万円=以上)の64%が、すでに移民をしているか、もしくは移民申請中・検討中とのこと。特に、習近平政権が「反腐敗キャンペーン」を展開し始めて以降、中国富裕層の「脱国」が急増した。

4.   日本

 日本企業も続々と中国から「撤退」を始めている。日系上場企業の中国撤退数は、10年12社、11年23社、12年56社、そして、13年が76社であった。理由は単純明快、現地の人件費高騰や共産党政府の労働者保護政策強化で、中国ビジネスが「儲からない」状況になってしまったためだ(無論、地政学的なリスクもある)。

 実は、中国富裕層の「脱国」が盛んになった理由は、習政権の腐敗撲滅運動に加え、中国経済が失速しているという現実もある。不動産バブルが崩壊を始めた以上、当たり前の話ではある。

 朝日新聞訴訟、85日付け報道の一年後に訴訟が起きる。

 

今後の世界

個人的利益のために続々と国を捨てる中国人たちに苦しめられる羽目になるだろう。それにも関わらず、外国移民受け入れの方向に舵を切った安倍政権は、世界を見る目がないとしか言いようがない。