10月4日 繁栄とは

 やれ所得倍増であるとか、大躍進であるとか、或いはGNPがどうただとか、いうようなことを言っておるうちは景気もよくて、口を開けば経済の繁栄を謳歌しておったのでありますが、それが数年も経ぬうちに今日のこの有様であります。物事というものは、盛んになりっ放しということはないので、やがて時期がくると、必ず弊害が現れて逆転するということは歴史の示す真理であり、ある意味では必然的な問題であると申してよいと思います。やはり、長い歴史と人間の英知とから生まれた真理とか教えというものは貴いものであります。        先哲講座