国が落ちぶれるとは
我が国は、本当に自国を立て直す自覚があるのか。
長らく世界第二の経済大国と言われていましたが、来年には中国に抜かれます。
中国に抜かれることが悔しいとか、三位になることが嫌という問題ではなく、重要なのは日本は、これまで経済がtoo big だったが為に世界から無視されなかったのが、変わるということです。経済力があるから世界から声をかけられていたが、様々な数値がドンドン悪化する可能性がある。
先日、大学生たちと話しました。彼等にしてみれば、物心ついた時には景気が悪く、就職氷河期だった。
そんな彼らですから、私に「日本がクラッシュすることは本当にあるのですか?」と聞いてきたんです。
悪くなっている現実感がないのです。
歴史を学んでいれば、国が落ちぶれるとは、どう言うことなのか。
戦争が起きたらどうなるのか。
負けたらどうなるのか、などが分かります。
然し、彼らは学んでいないので、落ちぶれるとはどう言うことか、よく分かっていない。
いつまでも、水や空気、太陽が目の前にあるのと同じように、千円札や一万円札が同じ価値で通用すると思っている。パスポートを持ってチケットを買えばどこの国にでも行けると思い込んでいる。
パスポートが通用するのは、その国に信用があるからです。もし信用が無くなれば通用しない。
「日本が駄目になったら海外に逃げる」と言っている人がいますが、最初に逃げ出すなら兎も角、駄目になったら海外に逃げることも出来なくなることすら分かっていない。
国の信頼が堕ちれば何も出来ないのです。
いつの時代でも若い人は出てきます。年老いた人だけで解決できる訳がありません。
私も「若い」、「未経験」と言われてきました。
知らないからこそ歴史を学び、教訓を得て政治を行う必要があるのです。
歴史を学ぶことは大変重要なことなのです。
平成21年12月号WILL
「余命30年」の日本、私はこう立て直す
中田宏 前