アベノミツクス分析 平成26年11月例会
経済が今一つ奮わない。消費税アップ、冷夏が要因と見られているが、二つに分類して検討してみる。
第一幕
1.
今年3月まで、経済が順調に拡大しアベノミツクス成果が発揮された。これを支えたものは、三点セット即ち
「円安」、株高、そして公共投資、駆け込み需要でした。
現象的には、
1.急速な円安と株高、円安は製造業の収益拡大、輸入物価の上昇は物価を引き上げ、株高は資産効果をもたらして消費を拡大した。
2.公共投資の大幅増加は成長率引き上げに貢献している。
2.
安倍政権発足で、それまでの民主党政権の経済閉塞は彼らの主義思想に問題があったと理解している。だが、この事は誰も口にしていないが真実を衝いていると私は確信している。
------以上がアベノミツクス第一幕。
そして今年4月以降がアベノミツクス第二幕となる。
1.
円安、株高が小康状態でした。
2.8月以降再び動き始めた感があった。
第一幕では歓迎一色の円安も否定的な評価が目立った。
3.そして10末の意表を突いた日銀の大幅金融緩和による大幅株高。さてどうなるかだ。
3.公共投資は伸びきつた感じ。消費がこれからどうなるか。
難しい局面で、日銀が今回、果断な手を打った。
11月連休中に、ニューヨーク市場は大きな反応を示してダウは急上昇した。
さて、これからどうなるか。
サプライズ効果が無い局面での日銀の手は、間違いなく政府の政策協調と見る。
だが、20年度までに国の財政の基礎的財政収支を黒字化するという、財政再建目標は現時点でも達成困難である。
いずれ、国民の痛みを伴う政策が不可欠である。
アベノミツクス第三幕は
規制緩和や本格的な構造改革が不可欠でありましょう。
財政再建達成には、さらなる増税が避けられない。
これしか本格的財政再建にはならないと国民は知っておか
ねばなるまい。
高齢者向けの社会保障の削減が急務となる。
国民のどこかに層がコスト負担を強いねば財政破綻となる。
政府の舵取り、政策的困難が到来してこよう。
徳永日本学研究所 代表 徳永圀典