不空羂索とは

                          
日本では「不空羂索観音菩薩」、「不空羂索観世音菩薩」などさまざまな呼称がある。
「不空」とは「むなしからず」、「羂索」は鳥獣魚を捕らえる縄。
従って不空羂索観音とは「心念不空の索をもってあらゆる衆生をもれなく救済する観音」を意味する。

日本では一面(いちめん)三目八臂(さんもくはっぴ)(額に縦に一目を有する)とする像容が通例、立像、坐像ともにある。胸前で二手が合掌し、二手は与願印を結ぶ。その他の四手には、羂索や蓮華・錫杖・払子を持す。代表作が東大寺の立像。この像の存在自体が、奈良時代に不空羂索観音信仰があったことを如実に物語っている。

「不空」(Amogha)とは「空しからず」の意、「羂索」は鳥獣を捕らえる網のこと。