女人七賢　その一 

賢い女の人のことじゃ。友人にするにしても、男は女次第という処もあるからのう。 

一般に賢女と言われるものの観察ポイントには七つの要素があるっちゅう。 

その第一は「行(ぎょう)歩(ほ)周(しゅう)正(せい)」。

周はあまねし、即ち円と同じである。丸みがあって正しい人柄を持つというか。 

第二は、「面(めん)丸く体厚(たいあつ)し」だ。

逆に申すと、薄相(はくそう)は、どんな美人でも薄命と言われる。 

第三「五官倶(ごかんともに)に正し(ただし)」。

五官みな正しく揃っていること。 

第四は「三停倶(さんていとも)に配す(はいす)」。

停はとどまる、釣合いの取れておることじゃ。人間の顔は、眉毛(まゆけ)から上を上停(じょうてい)、鼻の下から頤(あご)までが下停(かてい)、その中間を中停(ちゅうてい)と申す。この三つの停の釣合いがとれていなければいけない。額が豊かなれば、頤(あご)も豊かでなければならぬ。バランスと取れておることじゃ。扇千景とか山本富士子などを思い起すがの、二人ともいい運勢のようだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　岫雲斎