人の(けん)不肖(ふしょう)

人の(けん)不肖(ふしょう)は、所謂、学があるとか、学がないとか、そんな事とは少しも関係がない。もっと自由に人を見ることが大事である。

行き詰まって困っておる時に、思い切って助けてくれる人、冷然と傍観している人、と色々ありますが、助けてくれる人は実に貴い人である。

勿論そういうことは言う迄もないことであるが、

言葉を信じてよい人、

善悪の判断を誤らぬ人、

世間の事によくなれた先輩、

一芸に長じた人、

そういう人は皆自分にとって有益な友達である。

このように自分は元来、学があるとか、無学であるとか、いうようなことで人を観る基準にしておらないのだが、困ったことに無学の人々は自分に対して恐れをなしておるようだ。

もっと親しくしたいと思うのだが出来ないのが残念である。

         安岡正篤先生の言葉