1114日 歴史と人物

 歴史と人物に学んで、人間というものは如何なるものであるか。かくすれば、かくなるという、古今の栄枯盛衰の理法に通ずることなくしては、本当に生きる、せっかくの人生を全うすることは出来ない。いわんや、民族となり、国家となった場合にこれを担当し、これを過ちなからしめるように治めていくということになると、余ほど人間学というか、治乱(ちらん)興亡(こうぼう)の理法というものに通じなければ国を誤る。民を誤る。これ、学道の大切な所以です。処が大抵は学問というものを自分の欲望・才能の武器に使う。これがいわゆる俗学となる所以です。        三国志と人間学