ネツトで見た、ある「ザラスト・バンカー 読後感」 

■住友銀行において、
 不良債権処理を担当し、頭取として大合併による三井住友銀行を作った男。
 そして、大腸がんをわずらいながら、 郵政事業の民営化を指揮した男が西川氏です。生粋の事業再生人であることがわかります。

--まさに戦場のような経済状況のなかで、銀行の役割の一つは野戦病院であると私は考えていた。完璧な治療はできないかもしれないが、膿を出し、傷口をふさぎ、骨を接いで
企業が再び戦えるように荒療治を施していく--p160

■大企業の中には、無難にいく人が出世する会社もあるようですが、住友銀行はちがったようです。思い切った決断をする人が抜擢される傾向があるように感じました。
そうした風土が西川氏を育て、トップにまで引き上げる
ことになったのでしょう。


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結論を明快にせず無難なレポートをまとめる優等生は、
その後見事なくらい出世していない。支店長や部長どまりで役員にはなれなかった。--p45

■それにしても郵政事業の民営化は、政治に振り回された状況がよくわかります。普通の民間企業としたいグループと、
いままでどおり官業としてまったりしたいグループでは、
絶対に合わないわけです。


官業もだいぶ減ってきましたので、最後に残るのは本物の官僚組織と特殊法人なのかもしれません。

西川さん、良い仕事と良い本をありがとうございました。