11月2日 遺伝

 我々のことを考えると、行うことすべてが雲散霧消することなく、深層意識の中に沈殿してゆくわけでありまして、しかもそれは悠久の祖先の生命につながるものである。だから遺伝くらい恐ろしいものはないわけで、その遺伝を我々は日々夜々、行住坐臥つくっておるのであります。自分自身というものは決して断片的に存在するものではなくて、この今日の自分自身は生は悠久の生命の流れの中に位置しておるのである。従って、何が生じてくるかわからぬし、また自分の影響がいつどこへどういうふうに伝わってゆくかわからない。だから「日々是れ好日」に生きるのが一番であります。          陰隲録を読む