11月24日 入道

 富貴の地位、つまり支配的・指導的地位にいつまでもしがみついていると言うことは(かんば)しからぬことである。いい年になったら早く後継者にその地位・財産を譲って真実の生活に入るべきものである。これを入道という。入道というのは坊主だけと思っているのが多いが、そうではない。「道に入る」ので入道である。昔は年が四十になると、若い者に後を譲ってさっさと現実の支配的地位から隠居入道した。この頃はいくつになっても隠居入道しない。この隠居入道思想が今日普及したら若い者はまた元気を出して世の中は活発になると思う。     知命と立命