11月25日 人間は幹で決まる

 人を使う場合には、その短所ばかり見ていると使えない。処がこれは難しい問題であります。なぜかと申しますと、人の長所・短所というものは別々のものでなくて、長所が短所であり、短所が長所であることが多い。長所と短所が渾然として一になっている。だから短所をどうして長所にするか、長所をいかに短所にしないか、ということが修養の一つの秘訣であります。「短を棄て、長を用うべし」というのは考えようによっては簡単であるけれども、実際問題としては難しいことであります。そこで大事なことは大本が確かでしっかりした人だったら少しぐらいの短所や癖があっても用いて宜しい。     先哲講座