岫雲斎の独り言

秋も深まって参りました。現在、易の人生哲学を輪読しております。富山幹事長は既に三度読んだが分からぬと申しておられます。深遠なる易の哲学がそう簡単に分かる訳がない。それには、哲学することが要ります、思索が要ります、日本の知識人が最後に辿り着く書物なのですから・・。

その易、森羅万象の動きを示す易、その大自然の原理その推移を、88に纏めたのが、「卦」であります。

 

その冒頭の卦が「天行健」であります。

天運、時運と言うものは、いかにも健やかであります。

天行健の説明、象に、「君子以て自彊して息まず」とあります。自強と同じ意味であります。

人間は、一つの自然の生物であり、自然の現象であります。だから、

「天行健なるが如く、人生も健でなければならぬ」

これが最高の状態であり、最高の卦、最高の状態なのです。

望ましい在り様を示しているのであります。だから、自然現象を示す第一番の卦に「天行健」があるわけであります。

秋は清々しい、従ってです、人間も清健でなくてはなりません。清健とは、絶えず、自分を心身共に汚さないで、元気よく生きて行くことでありましょう。

「よどみ」、「腐る」のが生物には最も悪いのであります。

公害ばかり、他の害ばかりに目をやらないで、内省し

私害、自害に気のつかぬ現代人であります。

清く、明るく、健やかに力めて、参りましょう。

道は近くにある、余所見しないことが肝要だ、

胆然たる大道を闊歩しなくてはと自戒しておる秋であります。         平成28117

   鳥取木鶏会 会長 徳永圀典