笑相  

笑うにも相が見えるのじゃ。 

口を開いて大いに哂うは可

(わらう)は元々にっこりと微笑することじゃ。

兎に角、笑う時には大いに笑うのが好いのじゃ。 

口を閉じて音無きを欲せず」、

うっふっふと言うような音の無い笑い方は好くない。 

馬嘶猿喚(ばせいえんかん)似たる(ごと)き者は不可」、 

ひひーんと馬の(いなな)くような笑い方、ゃっきゃっと猿の(さけ)ぶような笑い方、こんなのはよくない。 

本当に、きゃっきゃつと猿のような笑い方をする人がいるものだ。こう言う人は、心情が良くない証拠だといわれとるんじゃ。

                   岫雲斎