徳永の「国際金融 解説」 鳥取木鶏会12月
最近、シナが中心となり設立しようとしている「アジアインフラ銀行」がありますね。
brazil,rusia,india,china,south africa諸国中心の銀行。
日本も米国も参加を拒否、韓国もアメリカの強い要請を受けてしぶしぶ参加を見送った。
この銀行出資に参加は21ヶ国、本部は北京、総裁もシナ、1000億ドルだから約11兆円の出資金は各国が国内総生産gdpに比例して出資。主役はシナである。
2010?2020にかけてアジアで必要なインフラ整備資金は8.2兆ドル=880兆円と試算されている。
この銀行設立はシナ主導の金融体制であります、現在の世界的枠組みは、戦後のアメリカ主導、1944年からある現在の国際金融システムはブレトンウッズ体制=IMF体制と言いますが、今回のこのインフラ銀行は、米国主体に対抗しようとするシナの世界戦略であります。戦後世界金融秩序への挑戦である。
現在、マニラに本店のあるアジア開発銀行、ずつと日本人が総裁をしているIMF体制下の銀行に対抗するものであります。
シナは金融の力を活用して支配権拡大を目指すものであります。
シナの世界覇権希求の野望が窺われます。斜陽のアメリカに取って代わろうとするものであります。
現在シナの保有する3兆8千億ドルの外貨準備を活用するものですが、主役はシナであり、習近平の「シナの夢」実現の野望が色濃い。
日本は、このシナ主導の金融秩序に入ろうとしない、拒否した。それはあの国の「華夷秩序」に入ることと同義語であり、皇帝・習近平に柵封体制に入ることになるからだ。
だから、あの習近平の安倍総理との握手態度は、その感情的な拒否反応であります。
それとも、日本を下に見る、夷と見る中華思想の傲慢さでありましょう。ここがこま国の普遍性に欠ける問題点であります。
果たして、シナのインフラ銀行は成功するか、
それは究極的にはノーだと私は見ます。当面は進むがその過程で矛盾が発生し残塁紛々となるのではないか。
何故か
1.シナの金融ガバナンスが前近代的で信用できない。
2.経験不足で、融資の審査能力が無い、恣意的審査である。
3.政治的思惑が「経済合理性」に優先するであろうシナ人の
思考、それは如何なる金融制度も機能しないことになる。
4.この銀行を支えるシナの経済自体が深刻になっている。
1. シナの外貨準備高の推移を分析してみる、
2010年末-----2.85兆ドル
2011年末-----3.18兆ドル
2012年末-----3.31兆ドル
2013年末-----3.82兆ドル
2014年9月末-3.85兆ドル
と頭打ちである。翳り始めているのだ。
2. また、外貨準備の質の重大な変化が起きている。
成長段階のシナの外貨準備は「貿易黒字」の基づいていた。
現在は、シナの海外子会社の借金、株式上場による資金、要するに様々な形の資金調達によると言われる。
3.貿易黒字の条件が崩壊しつつあること。
1.シナの人件費、特に沿岸地域はアジアで一番高く、人件費目当ての投資は他のアジア諸国へ明確にシフトしつつある。
2.また、対シナ投資も急減している。
日本の対シナ投資は前年同期比 43%減少
欧米諸国も軒並み 20%減少。
貿易黒字、直接投資、証券投資の凡てで増加が見込めないに
も関わらず外貨準備高が大幅に増加したのはシナの企業の
海外での資金調達、つまり借金の急増による外貨準備の増加であり、かなり無理な資金調達による外貨準備高であるわけだ。
これは、シナの金融、経済の危うさを示すものである。
裸官
これはシナの高級官僚群、家族も金も外国に移し、自分も何時だも外国に逃げられるように準備している人々のことである。
10兆円を越える金を外国の口座に送金している富裕層がいる。これは何を指すか、シナは本質的に「金の入る国」でなくなり、「金の逃げていく国」になりつつあることの証左であろう。
ミクロ経済の指標
間違いなくシナの経済が失速していることを示すものが出でいる。
鉄道貨物輸送量
前年比でマイナス5%
産業の基本である粗鋼生産
マイナスに近づいている。大規模鉄道建設発注あり実態はマイナス。
共産主義は経済合理性を無視し墓穴を掘る
共産党一党支配下で、採算無視の投資により経済成長を遂げたが、いまや失速し、政府がその埋め合わせに、又、
採算無視の大規模鉄道建設をやっていると見る。
この実態は、一党独裁では金輪際明らかにしない。
大和総研の統計を見ると、
シナの過剰投資は、昨年9月段階で、580兆円規模、
半年後の今年3月には660兆円に増加している。
このように過剰投資は最終的に20?30%は不良債権になると言われるから、シナの経済が行き詰った時は、現在時点でも200兆円規模とみておかなくてはならぬ。
日本のバブル崩壊の時の倍である。時が経過するほど巨大なものとなる、ここ一両年で破裂しようというのが私の見解であります。
アジアの盟主の近未来
上述のような病巣を抱えたシナがアジアの盟主として進行中の「金融・経済制度」は
1.
シナの支配下に入るアジア諸国を増やす一方で
2.
やがて、宴の後の「荒廃」を必ず齎すのが歴史の叡知である。
3.
日本は予断を許さない。
世界中に不良債権の山
シナの経済支援は、これまで、常に利己的過ぎるほど、自国の国益中心で行なわれている。
経済合理性は一切無視している。
だから、世界中に不良債権の山を築き上げる危険性を指摘できる。
経済合理性を無視し、政治的思惑で行なわれれば、如何なる金融制度も機能しないと断定できるのであります。
徳永日本学研究所 代表 徳永圀典
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