12月10日 擦墨
先ず黎明(れいめい)即起(そっき)して、真向法(まっこうほう)でもやったあと、梅干し番茶を一服飲んで、そして座って二十分でも三十分でもよろしい、多くは必要ない、墨を擦る。この時に墨を擦るとまことに擦(さつ)墨(ぼく)の擦り具合が良くて、硯(すずり)が非常に品(しな)が良いと最高である。人間でも硯でも品(ひん)というものが大事なんであります。