付加価値一思考 日本海新聞 寄稿 平成28年12月16日

30年前、大阪梅田阪急百貨店で時々買って食べていたのが富山県産の干し柿、一つ一つセロファンで包み高級感あり一個300円、高いが凄い。総じて、富山県、石川県、島根県の産品は魅力的である。

最近島根県の山奥で珍味キャビア―を養殖で産品化していて驚嘆。私は松江城前の県民物産館の各市町産品は東京三越に陳列してもよい魅力ある全国レベルの産品が多いと敬意を表している。鳥取駅の土産物店は手作り感覚の地元産が極めて少なく既製品の羅列に近い。総じて鳥取県は東部より倉吉の絣とかバッグ、ジーパンに傑出性を感じている。島根県は、仁田米、津田蕪漬、干し芋、タタラ、お茶、和菓子、お神楽等々無数、要するに一味異なる付加価値を存分に付けた一流の産品になっている。

要するに、これでもか、これでもかの工夫の結果が高い付加価値に繋がり、魅力ある商品となる。平井知事がカニの五輝とか本当に涙ぐましいご努力をしておられ心から敬意を抱くが、公からでなく地からのものでなくては本当に付加価値はつかない。食える所で止まっていては付加価値は向上しない。

民間サービスは大都会では銀行や百貨店が先端的模範を示す。鳥取ではそのトップが市役所、税務署、県庁と言われ百貨店も銀行も出てこないと聞く。東部は、松下幸之助の言葉「お客様は神様」の精神が欠けているのか商売の本源から遠いと思うと申したらお叱りを受けるのであろうか、歯がゆい思いばかりである。補助金付きの、その場限りでは本物の郷土再生に結びつかない。 徳永圀典